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2022.08.21ブログ

エネファームを撤去してオール電化

一般的に、オール電化工事と言えば、ガス(灯油)ボイラ、ガスコンロを撤去してエコキュートとIHクッキングヒーターを設置し、電気契約をオール電化用の契約に変えることを言いますが、今回はエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)からのオール電化工事という、少し珍しいケースだったので、ブログに書いてみました。

「エネファーム」という機器の問題点は、初期費用が高額なだけでなく、ランニングコストが安いわけではないうえ、設置10年目以降のメンテナンス費用が非常に高額であることです。

10年目以降の定期点検にかかる費用は1回約10万円だそうですが、今回のお客様のケースは一部の部品交換も必要で、約30万円かかることが分かりました。

さらに毎年点検が必要でその都度費用が発生すると言われたそうです。このメンテナンスは必ず受けなければいけない上、メンテナンスを受けないと機器が止められてしまうため、ユーザーは必然的に毎度有料メンテンナンスを受けるか、機器そのものを新品に買い替えるかの選択を迫られることになります。

ユーザーにとって毎年高額な点検費用を払い続けて古い機器を継続使用する意味はないうえ、「エネファーム」を新たに買い替えるとなると、150万円~200万円はかかります。しかも、買い替えたところで、10年後に再度同じ問題に直面することとなります。

これらの実情を考えると、継続使用するにしても、買い替えるにしても、「エネファーム」という製品の使用を継続することは、一般消費者にとって非常にハードルが高いものと言えます。これが今回お客様がエネファームの撤去およびオール電化工事に踏み切った理由だそうです。

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(写真)エネファームの既設の状況

「エネファーム」は、「給湯器」機能と「床暖房熱源機」機能の2つの機能を持っています。(物件により、3つ目の機能として「浴室暖房機の熱源機」の機能を持っている場合があります)
よって、エネファームを撤去してオール電化工事をする場合、「エコキュート」と「IHクッキングヒーター」以外に、3台目の機器として「床暖房の熱源機」も設置することになります。

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(写真)エネファームの撤去

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(写真)機器撤去後の配管の状況
(右から「床暖房(往き)」「床暖房(戻り)」「追い炊き配管(往き)」「追い炊き配管(戻り)」「給湯配管」「給水配管」)

今回、床暖房の熱源機は三菱電機の「エコヌクール」を設置することにしました。
写真のように、床暖房の配管が3系統あるので、3系統用の熱動弁付きヘッダーを付けて設置しました。

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(写真)「エコヌクール」取付工事の状況(奥のタンクは「エコキュート」)

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(写真)工事後の状況(左から「エコキュートのタンク」「(双方の)室外機(上段=エコヌクール、下段=エコキュート)」「エコヌクールの熱源機」)

オール電化設備に更新することで、給湯や床暖房の使い勝手が変わるわけでもなく、コンロがIHに変わったことで台所まわりも清潔になり、お客様の評価はおおむね良好でした。
写真のように、既存のエネファームの基礎がそのまま使えてサイズ的にもぴったり収まり、見栄え良く設置することが出来ました。

ヒートポンプの特性を考えた場合、寒冷地ではエコキュートよりもエネファームの方が向いている場合があると考えられますが、一般地(温暖地)の場合は先に記載したように、高額なメンテナンス費用を毎年支払ってまでエネファームを使用する意義はないように思います。そもそも、継続使用の際のあんな条件を出されたら、普通の消費者ならエネファームを選択することはないと思いますが、ガス会社や住宅会社の人は新設の際にメンテナンス費用について説明しているのでしょうか?

床暖房の熱源機がエネファームの方も、ガス給湯器や石油給湯器の方も、床暖房の熱源機を「エコヌクール」にすることで、オール電化工事は可能です。通常のオール電化工事の費用に「エコヌクール」の設置費用を追加する必要はありますが、それでも10年スパンで考えれば、オール電化の方が安くなります。床暖房を維持したいがためにオール電化を諦めてガスを継続する必要はありません(集合住宅は除く)。

エネファームやガス/石油が熱源の床暖房を設置している方で、オール電化への切り替えにご興味がある方は遠慮なくお問合せ下さい。

用松 俊彦

 

 


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