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2020.12.04ブログ

「無料点検」に注意(悪質な業者の事例)

久々の投稿です。
コロナ禍で大変な世の中になっていますが、コロナに起因することだけでなく、コロナとは関係のないことでとても忙しくなってしまい、ブログの更新がおろそかになっていました。
今後は書き込み数もコロナ前に戻すべく頑張ります。

さて、今回お伝えしたいことは、悪質な業者についてです。
ここで言う「悪質」とは、「高額でぼったくり」とか「押し売り」とかいうことではありません。もちろん、その手の業者はたくさん世の中に存在しますが、今回のお話のテーマはそれらとは違います。

今回お話したいのは、私が知っている中でも最も悪質で卑劣なやり方の業者のお話です。

今回それが判明したのは、当社の古くからのお客様より、「太陽光モニタが朝から映らない」との連絡があったからです。

早速お客様宅に行ってみると、確かに太陽光モニタが映りません。しかし、分電盤の太陽光のブレーカーは上がっています(=ONになっています)。
しかも、モニタの履歴を見ようとして、ボタンを押しても全く反応がありません。ブレーカーのON/OFFをしてみても、全く反応がありません。

私はここで「おかしいな」と感じました。

通常、太陽光発電システムが故障した場合、モニタにエラー表示が出たり、ブレーカーが落ちていたりするのが通常ですが、落雷でもない限り、モニタが全く反応しない、などということはありません。
落雷があったなら、私が尋ねるまでもなくお客様より「雷にやられたかも」というお言葉があるものです。
仮にパワコン内のブレーカーが落ちていたとしても、モニタは電力会社の電気で点灯するので、ブラックアウトすることはありません。

今回、異質だったのは、「昨日、『サンビスタ無料点検』を謳う業者が来て、無料で点検していった。夕方来て1時間ほど点検して点検内容の説明をして帰った」とお客様が話していたことです。
お客様によると、業者が来た翌日の朝からモニタがブラックアウトしているとのこと。

私はピンと来て、外のパワーコンディショナーの蓋を開けてみました。

すると、なんとモニタケーブルの端子が外されていました。

翌朝、太陽光が発電しないので、お客様が慌てて前日に「無料点検」した業者に連絡すると、「ちょうど営業と一緒に近くにいるので伺います」といかにもタイミングよく訪問して、「故障」を確認したあと「明日見積をお持ちします」と言って帰ったとのこと。それを不審に思って私に電話したそうです。

外されていたモニタケーブルの端子を接続すると、すぐにパワコンが起動するのが分かりました。改めてモニタを見ると、故障しているどころかすべて正常。
お客様には人為的に故障を「演出」されて騙されていることを伝え、すぐに見積提案をお断りするように伝えました。

シャープ製のパワーコンディショナーは、パワーコンディショナーとモニタはセットになっていて、モニタを接続しないとパワコンは起動しません。

ポイントは、夕方に「無料点検」に来て、日没まで点検作業をしていることです。

日没になると、太陽光は運転が止まるので、モニタがブラックアウトしていても、お客様は気づきません。太陽光が運転を停止して、モニタのバックライトが消えるのは普通だからです。
翌朝いつまで経っても運転開始しない(=モニタが点灯しない)ので初めて気付きます。お客様は「朝故障した」と思い込みます。
そして、前日に「無料点検」しに来た業者についつい連絡してしまう、という流れです。

このように、「無料点検」しに来た業者は、人為的にパワコン故障をでっち上げて蓄電池を売りつけようとしたことが分かりました。

現在、本当にパワーコンディショナーが故障していて、営業員が「せっかくパワーコンディショナーを交換するならハイブリッド型蓄電池を考えませんか?」と勧める流れは実際にあり得る流れですが、人為的に故障を「演出」して強引に見積提案⇒契約に持ち込もうとするのは、「商売道徳」の枠を超えて、れっきとした犯罪ですよ!

みなさん、姑息なトリックに騙されないように気を付けましょう。
ただ、一般の方で判別を付けるのは難しいかもしれませんが、見知らぬ業者が「無料点検」した後で突然故障したら、人為的なものを疑いましょう。

用松 俊彦


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